在宅事件とは――逮捕されていなくても捜査は動いている

刑事事件というと「逮捕される」イメージがありますが、実際には逮捕されずに捜査が進む「在宅事件」が数多くあります。警察が「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」がないと判断した場合、身柄を拘束せずに自宅に帰してもらいながら捜査が続くのです。

在宅事件でも、捜査は着実に進んでいます。警察への出頭・取り調べ・書類送検・検察官による起訴か不起訴かの判断、という流れは逮捕事件と変わりません。「逮捕されていないから大丈夫」と思って何もしないでいると、ある日突然「起訴します」と通知が来ることになります。

「任意」でも黙秘できる――取り調べ対応の基本

警察から「任意で話を聞かせてほしい」と言われると、断りにくい雰囲気があります。しかし「任意」とはあくまで法的な意味での任意であり、取り調べ中に何を話すか・話さないかは、逮捕された場合と同じく自分で決める権利があります。

特に重要なのが黙秘権です。自分に不利益な供述を強要されない権利は、在宅事件でも完全に保障されています。「正直に話せば早く終わる」と思いがちですが、取り調べで一度署名した調書は、後から「そういう意味で言ったのではない」と主張しても覆すことがほぼできません。

弁護士がついていれば、取り調べ前にどこまで話すべきかを整理し、不利な調書が作られるリスクを大幅に減らすことができます。

呼び出しが来る前に弁護士に相談すべき理由

在宅事件では「まだ呼び出しが来ていないから弁護士に相談するのは早い」と考える方が多いです。しかし、呼び出しが来てから慌てて相談したのでは、準備する時間がありません。

弁護士が早い段階で介入することで、次のようなことができます。

まず、取り調べへの対応方針を事前に固めることができます。何を話し、何を控えるか。黙秘するならどの範囲か。この準備が、調書の内容を大きく左右します。

次に、被害者がいる事件では、示談交渉を速やかに始めることができます。示談の成立は検察官の処分判断に大きく影響するため、早ければ早いほど有利です。

広島あさかぜ法律事務所は、在宅事件の弁護を広島事務所の重点業務と位置付けています。「呼び出しが来そうで不安」という段階からのご相談を歓迎します。

書類送検から不起訴を目指す流れ

警察での捜査が終わると、事件は検察官に送致(書類送検)されます。検察官はここで「起訴するか・しないか」を判断します。

起訴されると刑事裁判が始まり、日本では起訴後の有罪率が99%を超えると言われています。裁判になれば、結果にかかわらず時間・費用・精神的な負担が発生し、会社や学校に知られるリスクも高まります。

不起訴を得るために弁護士ができることは多くあります。被害者がいる事件では示談交渉、そうでない事件では反省の態度を示す文書の作成・再犯防止策の提示・身元引受人の確保などを通じて、検察官に「裁判にするまでもない」と判断してもらえるよう働きかけます。

在宅事件の場合、書類送検から処分決定まで数か月かかることもあります。その間も弁護士が継続的に動き、最良の結果を目指します。

在宅事件の弁護士費用と相談の流れ

当事務所では、在宅事件についても、身柄事件と同様に、事件の内容(自白か否か、目指す結果など)に応じた刑事事件の費用体系を採用しています。具体的な着手金・報酬金は、費用ページに記載の「刑事事件(認め・否認)」の基準に従い、ご事情をうかがったうえでご説明いたします(詳細は弁護士費用ページをご覧ください)。

身柄拘束がない在宅事件では、勤務や学業を続けながら捜査に対応できる一方で、呼び出しや処分の見通しに関する不安も大きくなりがちです。当事務所では、事件の性質やご希望に応じて、示談交渉や不起訴獲得に向けた活動の範囲と費用を事前に丁寧にご説明したうえで、委任契約を締結いたします。

相談はご来所のほか、お電話・LINEでも受け付けています。「自分の事件が在宅事件にあたるかどうか」という段階のご相談でも構いません。まずは現在の状況をお聞かせください。