ご相談事例~亡くなった親宛ての請求書が、ある日突然届いた
「母が亡くなって2年ほど経ったある日、見覚えのない貸金業者から私宛てに封書が届きました。開けてみると『あなたはお母様の相続人であり、お母様がお借りになったお金を返済する義務があります』と書かれています。請求額を見ると、借りた元本よりも遅延損害金のほうがずっと大きく、合計すると100万円を超えていました。母から借金の話など一度も聞いたことがありません。私が払わなければいけないのでしょうか。そもそも、なぜこの業者は私の住所を知っているのでしょうか。」

広島駅前事務所をはじめ各地の弁護士法人あさかぜ法律事務所には、このようなご相談が繰り返し寄せられています。
亡くなったご家族の借金の請求書は、ある日突然、何の前触れもなく届きます。故人から借金について何も聞かされていなかった方がほとんどで、皆さま一様に驚き、不安な気持ちでご相談にいらっしゃいます。
まずお伝えしたいのは、この請求書には正しい対応の順序がある、ということです。そして、その順序を間違えなければ、支払わずに解決できる場合が少なくありません。
結論~「払います」と言う前に、支払わずに済む2つの制度を確認
法律の原則からお話しすると、相続人は、亡くなった方のプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぎます。
したがって、相続放棄の手続きをしていない限り、相続人として故人の借金を支払う義務が原則としてあります。
しかし、ここで「払います」と答えてしまう前に、必ず確認していただきたい制度が2つあります。
1. 消滅時効の援用~古い借金は「消せる」可能性がある
借金には消滅時効という制度があります。最後に返済した日(または返済期日)から5年以上が経過している借金は、「時効を援用します」という意思表示(時効の援用)をすることで、支払義務を消滅させられる可能性があります。
故人が残した借金の請求書は、最後の取引から長い年月が経ってから届くケースが非常に多いのが実情です。むしろ、5年以上経過した債権を掘り起こして消滅時効に気付かない債務者(やその相続人)に利息も含めて全額支払わせるビジネスモデルに基づいて催告書を送ってきているのです。
請求書に記載された「最終取引日」や「約定返済日」を確認してください。そこから5年以上経過していれば、時効援用によって1円も支払わずに解決できる可能性があります。
2. 相続放棄~期限が過ぎていても、諦めるのはまだ早い
相続放棄は、家庭裁判所に申述することで、はじめから相続人ではなかったことになる制度です。
相続放棄をするための期間として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という期限(熟慮期間)があります。
「親が亡くなってもう2年も経っているから無理だ」と思われるかもしれません。しかし、故人に借金があることをまったく知らず、請求書が届いてはじめて借金の存在を知ったような場合には、熟慮期間の起算点が後ろにずれ、いまからでも相続放棄が認められる余地があります(最高裁昭和59年4月27日判決の考え方)。期限切れと決めつける前に、必ず弁護士にご相談ください。
相続放棄と消滅時効援用、どちらの制度を使うべきか——あるいは両方の可能性を並行して検討すべきか——は、借金の時期・内容、相続の状況によって変わります。広島駅前事務所では、請求書をお持ちいただければ、初回のご相談でどちらの道筋があり得るかを診断いたします。
絶対にやってはいけないこと~業者への連絡・少額の支払い
請求書が届いたとき、誠実な方ほど「とりあえず業者に電話して事情を聞いてみよう」「ひとまず少しだけ払って待ってもらおう」と考えがちです。しかし、これが最も危険な行動です。
時効は、債務者が借金の存在を認める行動(債務の承認)をすると、その時点からリセットされてしまいます(時効の更新)。さらに、すでに時効期間が経過していた場合でも、支払いを認めるような対応をしてしまうと、信義則上、時効の援用ができなくなるとされています(最高裁昭和41年4月20日判決)。
具体的には、次のような行動が「承認」と評価されるおそれがあります。
- 電話で「分割なら払えるかもしれません」と話す
- 「少し待ってください」と支払いの猶予を求める
- 1,000円だけでもと支払いを求められて渋々1000円を支払う
- 業者から届いたアンケートや「債務確認書」に記入して返送する
電話1本、わずか1,000円の支払いで、本来なら消せたはずの100万円の借金が復活してしまう——これが時効制度の怖いところです。業者側もそれを理解したうえで、電話や書面での接触を促してきます。これは彼らのビジネスですのでそれに文句を言っても債務は0円になりません。冷静に消滅時効を援用する、「時効援用します」の10文字で債務を消滅させることで過分な負担から逃れてください。
請求書が届いたら、業者には連絡せず、まず弁護士にご相談ください。弁護士が代理人として対応すれば、業者からの連絡窓口も弁護士に一本化され、うっかり「承認」してしまうリスク自体がなくなります。
あさかぜ法律事務所の時効援用・相続放棄の解決実績

当事務所では、亡くなったご家族宛ての借金請求への対応として、消滅時効の援用、期限経過後の相続放棄、相続人複数名からの一括のご依頼など、数多くの案件に対応してきました。
貸金業者や債権回収会社からの請求書・督促状が届いた場合、ご自身で業者に連絡を取る前に、弁護士への相談を強くお勧めします。たった一本の電話が、時効援用の可能性を失わせてしまうことがあるからです。
初回相談は時間制限なく無料です。「請求書が届いたが、何が書いてあるのかよくわからない」という状態でも構いません。届いた書類を封筒ごとお持ちのうえ、現在の状況をお聞かせください。
まずはお話をお聞かせください
広島駅前のあさかぜ法律事務所では、相続・借金問題の初回相談を無料でお受けしております。まずはお気軽にご連絡ください。
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