盗撮で警察に任意同行を求められ、在宅のまま捜査が続いている方へ。
この記事では、在宅捜査と逮捕の違い・今後の流れ・逮捕を避けるための行動・示談がなぜ重要になるのかまで、刑事事件を多く取り扱う刑事事件に強い弁護士が解説します。
在宅事件は、身柄を拘束される事件と比べれば「軽い扱い」に位置づけられます。しかし、対応を誤れば、途中から逮捕・勾留に切り替わることもあれば、起訴されて前科がつくこともあります。今どの段階にいるのかを正しく理解し、最善の行動を選ぶことが、仕事や家族、これからの生活を守るための第一歩です。
- 1. 在宅で捜査が進むのは、むしろ軽い扱いです
- 在宅事件と身柄事件の違い
- なぜ「逮捕なし」で済んでいるのか
- 在宅事件だからといって油断できない理由
- 2. では、これから逮捕される可能性はあるのか
- 在宅から一転して逮捕される典型パターン
- 逮捕リスクが高まりやすい場面(証拠隠滅・逃亡など)
- 示談交渉ー逮捕を避けるために今すぐできる対応ー
- 3. 在宅事件で、絶対にやってはいけないこと
- 警察・検察からの呼び出しを無視すること
- 被害者に勝手に謝罪・連絡したり口裏合わせをすること
- SNSや周囲への軽率な発言で状況を悪化させること
- 捜査中のアリバイ工作・証拠の廃棄も厳禁
- 4. 軽い処分で終わらせるために、何が要るか
- 不起訴・罰金など「軽い処分」のゴール設定
- 示談が重要になる理由
- 5. ご家族にどう向き合うか
- 家族にどこまで・どう説明するか
- 仕事・学校・近所への影響を最小限にする視点
- 家族の信頼回復と再発防止策を一体で考える
- 6. 盗撮の在宅捜査でお悩みの方は、お早めにご相談ください
- ────────────────────────────── あさかぜ法律事務所の刑事弁護の実績
在宅で捜査が進むのは、むしろ軽い扱いです
盗撮の疑いで警察から呼び出しを受けたり、自宅の捜索を受けたりした場合、「なぜ逮捕されないのか」「このまま終わるのか」という疑問を持つ方は多くいます。
結論からいえば、在宅で捜査が進んでいること自体は、捜査機関があなたを「すぐに身柄を拘束しなくても捜査できる」と判断しているサインであり、身柄を拘束された場合と比べれば、扱いとしては軽い部類に入ります。
ただし、「軽い扱い」であることと、「無事に終わる」ことはまったく別の話です。ここでは、在宅事件の基本的な仕組みと、それでも油断できない理由を整理します。
在宅事件と身柄事件の違い
刑事事件の捜査には、大きく分けて「身柄事件」と「在宅事件」という二つの形態があります。
身柄事件とは、被疑者(疑いをかけられた人)が逮捕・勾留されて身柄を拘束された状態で捜査が進む事件のことです。逮捕後は最大72時間、警察や検察に身柄を置かれ、その後検察官が勾留請求をすれば、さらに原則10日間(延長で最大20日間)にわたって身柄拘束が続きます。この間、仕事や学校に行くことはできず、家族とも自由に連絡を取れない状態になります。
一方、在宅事件とは、被疑者が逮捕・勾留されることなく、自宅や職場での日常生活を続けながら、警察や検察からの呼び出しに応じて任意で出頭する形で捜査が進む事件です。呼び出しに応じて警察署や検察庁に出向き、取調べを受けるという流れになります。逮捕されているわけではないため、取調べを終えればその日のうちに帰宅でき、仕事も基本的には続けられます。「在宅事件」という言葉は法律の正式な用語ではありませんが、実務上広く使われている表現です。
盗撮事件の場合、現行犯逮捕されずに後日捜査が始まるケース、あるいは現行犯逮捕されたが釈放され、その後在宅で捜査が継続するケースなど、様々な形で在宅事件となる場合があります。
なぜ「逮捕なし」で済んでいるのか
逮捕は、捜査機関が「被疑者を逮捕する必要がある」と判断したときに行われます。法律上、逮捕が認められるのは、証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがあるなど、身柄を拘束する必要性がある場合に限られます。
在宅で捜査が進んでいるということは、裏を返せば、現時点では捜査機関が「この人物をすぐに逮捕して身柄を確保しなくても捜査を進められる」と判断しているということです。
盗撮事件で在宅事件になりやすい場面としては、例えば次のような場合があります。
- 犯行が1回限りで、現時点では常習性が認められにくい場合
- 被疑者が定職に就いており、逃亡リスクが低いと判断された場合
- 被害者が特定されておらず、直ちに身柄拘束を要する事情が乏しい場合 など
また、2023年7月に施行された撮影罪(性的姿態等撮影罪)により、盗撮行為は明確に処罰対象とされています。初犯で被害の程度が比較的軽微と判断されたケースでは、身柄拘束までは行わず在宅捜査にとどまることも少なくありません。
重要なのは、「逮捕されなかったのだから大丈夫」ではなく、「逮捕を必要とするほどの緊急性はないと判断されているが、捜査は継続している」という状況にあると理解することです。
在宅事件だからといって油断できない理由
在宅で捜査が進んでいるからといって、事件が消えてなくなるわけでは決してありません。在宅事件であっても、捜査が終われば検察官が事件を受理し、起訴するかどうかを判断します。起訴されれば刑事裁判が始まり、有罪となれば前科がつきます。
撮影罪などの性犯罪では、拘禁刑や罰金刑が科され得ることが法律上定められており、決して軽い犯罪ではありません。また、在宅捜査中であっても、その後の状況変化によっては後から逮捕されることがあります。たとえば、取調べの呼び出しを無視し続けた場合、被害者や関係者に連絡して口裏を合わせようとした場合、新たな証拠が発見された場合などは、逮捕の必要性があると判断され直されるリスクがあります。
さらに、在宅捜査は身柄事件と異なり、捜査期間が長くなりやすいという特徴があります。数か月から1年前後にわたって呼び出しが続くこともあり、その間ずっと精神的なプレッシャーを抱えることになります。学校・職場・家庭への影響を最小限にするためにも、在宅事件だからこそ、早い段階から弁護士に相談し、適切な対応を取ることが非常に重要です。
では、これから逮捕される可能性はあるのか
在宅捜査が続いているからといって、逮捕の可能性がゼロになったわけではありません。在宅事件であっても、捜査の進展や本人の行動次第によっては、途中から身柄を拘束される「逮捕」に切り替わることがあります。
ここでは、在宅事件から逮捕へと移行しやすい典型パターンと、逮捕リスクが高まりやすい場面、そして逮捕を避けるために今すぐできる対応を整理します。
在宅から一転して逮捕される典型パターン
在宅捜査から逮捕に切り替わる主なパターンは、大きく二つです。
一つ目は、本人が任意の呼び出しに応じなくなった場合です。警察や検察からの出頭要請を無視したり、連絡が取れない状態が続いたりすると、「逃亡のおそれあり」と判断され、逮捕令状が発付される可能性が高まります。
二つ目は、証拠の隠滅が疑われる行動が発覚した場合です。データの削除や関係者への口裏合わせが捜査機関に把握された場合、「証拠隠滅のおそれあり」として逮捕の要件を満たすと判断されることがあります。
逮捕リスクが高まりやすい場面(証拠隠滅・逃亡など)
逮捕の要件として刑事訴訟法が定めているのは、「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」です。在宅事件でも、捜査機関がこのいずれかの事情があると判断した場合には、令状を取得して逮捕に移行することができます。
逃亡のおそれが高まりやすい場面としては、例えば次のような状況が挙げられます。
- 住所が不定、または頻繁に変わっている
- 仕事を突然辞めて連絡先が変わった
- 警察から呼び出しを受けても無断で欠席した など
証拠隠滅のおそれが高まりやすい場面としては、次のような行動が典型です。
- 被害者に直接連絡を取って謝罪や口裏合わせを試みた
- スマートフォンや外付けメモリのデータを意図的に削除した
- 共犯者や関係者と連絡を取り合って供述を合わせようとした
盗撮・撮影罪の場合、記録媒体に残る映像や画像が主要な証拠となるため、それらを操作しようとする行動は特に重大視されます。また、余罪が多数発覚した場合も逮捕リスクが高まります。捜査の過程でスマートフォンを解析した結果、当初の事実以外にも複数の撮影行為が確認されるケースがあり、そのような場合には捜査機関の姿勢が急変することがあります。
示談交渉ー逮捕を避けるために今すぐできる対応ー
逮捕リスクを下げるために、今この時点でできる具体的な対応があります。
まず最も重要なのは、弁護士に相談し、弁護人として活動してもらうことです。弁護士が介入することで、警察・検察との窓口が整理され、呼び出しへの対応も適切にコントロールできます。また、弁護士から捜査機関に対して「本人は逃亡・証拠隠滅の意図がない」ことを示す活動(身元保証書の提出や上申書の作成など)を行うことで、逮捕の回避につながることがあります。
次に、警察・検察からの呼び出しには必ず応じることです。呼び出しに従っていること自体が「逃亡のおそれなし」という評価材料になります。出頭前に弁護士と打ち合わせをしておくことで、取調べにおける不要なリスクを減らすこともできます。
さらに、被害者との間で示談交渉を進めることも有効です。示談が成立している場合、捜査機関は「被害回復が図られている」「処罰感情が一定程度和らいでいる」ことなどを踏まえ、逮捕や起訴の必要性を慎重に評価します。
もっとも、撮影罪は非親告罪であり、被害者の告訴や処罰感情にかかわらず起訴され得る犯罪です。これは、個々人の性的自己決定権の侵害にとどまらず、「盗撮を許さない社会環境」を公的に守る必要があると立法上位置付けられているためであり、被害者に告訴や被害申告の負担を負わせずとも国家が主体的に介入できる構造が取られているからです。
このような構造もあり、示談が成立したからといって、必ず不起訴になるわけではありません。それでも、示談は、不起訴を含む軽い処分を目指すうえで非常に重要な事情となります。ただし、被害者へ直接連絡を取ることは、証拠隠滅や脅迫と受け取られるおそれがあります。被害者との連絡は、代理人である弁護士を通じて行うことが重要です。
また、日常生活を安定させておくことも、見落とされがちな対策です。現在の住所に引き続き居住し、勤務先も維持している状態であることは、「生活基盤がある=逃亡しにくい」と捜査機関に評価されやすいため、逮捕回避の一因となります。
在宅事件で、絶対にやってはいけないこと
在宅捜査中は、逮捕されていないがゆえに「まだ大丈夫だろう」という気持ちになりやすい時期です。しかし、この時期の行動が事件の結末を大きく左右します。以下に挙げる行為は、在宅事件をより深刻な状況へと一変させる典型的な「やってはいけないこと」です。
警察・検察からの呼び出しを無視すること
在宅事件では、警察や検察から「任意出頭」の形で取調べへの呼び出しを受けることがあります。逮捕されていないため法的な強制力がないように感じられるかもしれませんが、この呼び出しを無視することは非常に危険です。
捜査機関は、呼び出しに応じない被疑者を「逃亡のおそれがある」と判断し、逮捕状を請求する理由の一つとして取り扱う場合があります。在宅捜査が続いている理由の一つは、被疑者が捜査に協力的であることへの信頼です。その信頼を自ら裏切る行動は、在宅から身柄拘束へと切り替えられるリスクを一気に高めます。
呼び出しを受けた際は、日程の変更が必要であっても無断で欠席するのではなく、弁護士を通じて対応することが重要です。弁護士が同行することで、取調べの内容を適切にコントロールし、不必要な自白や誤解を招く供述を避けることができます。
なお、任意出頭はあくまで「任意」であり、法律上は断ることも可能です。しかし実際には、拒否を繰り返したり連絡を無視したりすると、捜査機関に逮捕の理由を与えることになります。任意捜査の段階で誠実に対応しつつ、弁護士の助言のもとで供述内容を慎重に管理することが、在宅のまま手続きを進めるうえで欠かせません。
被害者に勝手に謝罪・連絡したり口裏合わせをすること
盗撮事件では、被害者との示談が処分の軽減に大きく影響します。そのため、「自分で被害者に直接謝罪すれば解決するのではないか」と考える方は少なくありません。しかし、弁護士を介さずに被害者へ直接連絡することは、状況を著しく悪化させる行為です。
盗撮被害者は、撮影されたという事実そのものに強い恐怖や不安を抱えています。加害者から突然連絡が来ることは、被害者にとって「二次被害」にあたる場合があり、さらなる精神的苦痛を与えます。その結果、被害者が捜査機関に対して「加害者から接触を受けた」と申告すれば、証拠隠滅や被害者への働きかけを疑われ、逮捕の口実を与えることになります。
示談は、弁護士が被害者側と交渉する形で進めるのが原則です。弁護士を通じることで、被害者のプライバシーや意思を尊重しながら、適切な謝罪と賠償の意思を伝えることができます。逆に、被疑者本人が直接連絡した場合、被害者が強い不信感を抱き、示談交渉そのものが困難になることがあります。自分で解決しようとする行動が、かえって示談成立の可能性を閉ざす結果になりかねない点を理解しておく必要があります。
また、被害者だけでなく、目撃者や関係者に対して「こういう風に話してほしい」などと働きかける行為は、証拠隠滅罪(刑法104条)に該当する可能性があります。在宅で済んでいた事件に証拠隠滅の疑いが加わると、逮捕・勾留の判断が一変することになります。絶対に行ってはいけない行為です。
SNSや周囲への軽率な発言で状況を悪化させること
在宅捜査中は、日常生活を送りながら捜査が続いている状態です。そのため、友人への相談やSNSへの投稿など、普段と変わらない行動をとりたくなることもあります。しかし、捜査中の事件に関する発言は、いかなる媒体であっても非常に危険です。
SNSへの投稿は、たとえ鍵アカウントであっても、スクリーンショットや第三者の通報によって捜査機関の目に触れる可能性があります。「警察に呼ばれた」「こんなことで捕まるわけない」などの発言は、捜査を軽視しているとみなされるだけでなく、被害者感情を著しく傷つけます。被害者がそのような投稿を知った場合、示談に応じる意欲を失わせることにもつながります。
事件を周囲に話す際にも注意が必要です。友人や同僚への何気ない打ち明け話が、思わぬ形で拡散することがあります。また、誰かが善意で動いた結果、被害者側に情報が伝わったり、捜査機関の耳に入ったりするケースもあります。事件の内容については、弁護士以外には極力話さないことが原則です。
捜査中のアリバイ工作・証拠の廃棄も厳禁
捜査が続いている間、自分に不利な証拠を隠したり、端末内のデータを削除したりすることを考える方がいます。しかし、スマートフォンやメモリーカードのデータは、警察内部の科学捜査部門に回されれば、削除履歴や一部の画像・動画が復元されてしまうこともあります。実務上の経験ですと、依頼者が消去したと思っていた画像が科学捜査研究所(科捜研)の捜査によってたくさん出てきたことがあります。
こうした解析の結果、「わざとデータを消そうとした」痕跡が確認されれば、それ自体が証拠隠滅の疑いとして評価され、逮捕・勾留の正当な理由とされるおそれがあります。デジタルデータの消去も証拠隠滅と判断されることがあるため、弁護士に相談するまでは端末の操作を含め、証拠に関わるいかなる行動も控えるべきです。
軽い処分で終わらせるために、何が要るか
在宅事件として捜査が進んでいる場合、最終的にどのような処分が下されるかは、捜査の結果と検察官の判断によって決まります。ここでは、詳細に踏み込む前提として、「どのようなゴールがあり、そのために示談がなぜ重要になるのか」というポイントだけ、コンパクトに押さえておきます。
不起訴・罰金など「軽い処分」のゴール設定
処分の種類としては、大きく分けて次の三つがあります。
- 不起訴
- 略式起訴による罰金
- 正式起訴による公判
最も望ましい結果は不起訴処分です。不起訴となれば、前科はつかず、職場や学校に刑事処分の記録が残ることもありません。証拠が揃っている盗撮事件では、現実的なゴールとして起訴猶予による不起訴を目指すことが多くなります。
次に軽い処分として挙げられるのが、略式起訴による罰金刑です。正式な裁判は開かれず、書類審査のみで罰金が科される手続きです。前科はつきますが、公開の法廷に立つことはなく、身柄を拘束される期間もありません。
一方、正式起訴されて公判請求された場合は、裁判所での審理が始まり、有罪判決が確定すれば拘禁刑や罰金刑が言い渡されます。どのゴールが現実的かを早期に見極め、そこに向けて動くことが重要です。
示談が重要になる理由
盗撮・不同意撮影の事案において、示談の有無は処分を左右する大きな要素の一つです。被害者との示談が成立している場合、被害回復への取り組みや処罰感情の変化が、検察官・裁判所の判断に影響を与えることがあります。
もっとも、先ほど触れたとおり、撮影罪は非親告罪であり、被害者の告訴の有無にかかわらず起訴され得る犯罪です。示談が成立しても、必ず不起訴になるわけではありません。そのうえで、初犯・在宅事件などの事案では、示談が不起訴等の軽い処分に向けた重要な材料となりやすいことは確かです。
ご家族にどう向き合うか
在宅捜査が続く中で、当事者の方にとって最も悩ましい問題の一つが「ご家族との関係」です。事件の内容が盗撮や性的なトラブルである場合、家族への説明は特に難しく、どこまで話すべきか、どう切り出すべきか迷われる方が多くいます。ここでは、家族との向き合い方について、実際的な視点からポイントを絞ってお伝えします。
家族にどこまで・どう説明するか
盗撮や性的なトラブルを家族に打ち明けることは、精神的に非常に辛いことです。しかし、在宅捜査が続いている以上、警察からの呼び出しや自宅への捜索員の訪問など、家族が事件の存在を知るきっかけはいつ訪れてもおかしくありません。そのタイミングで突然知ることになれば、家族の受けるショックや不信感はより大きくなります。
バレずに最後までなんとかなるとは思わないでください。当事務所もご家族にバレないことを前提としたご依頼はお受けしておりません。
弁護士に相談した上で、「いつ・何を・どのように伝えるか」を整理することが重要です。事件の詳細をすべて話す必要はありませんが、
- 現在、警察の捜査を受けていること
- 弁護士に相談して、対応を進めようとしていること
- 家族が安心して暮らせる毎日を取り戻すために、自分自身が改心して向き合っていくこと。そのうえで、これからも家族として支えてほしいと願っていること
という事実は、早い段階でご家族と共有しておくことが望ましいケースが多いです。
示談金の準備など、金銭的なサポートが必要になる場面では、家族の理解と協力が不可欠になることもあります。その意味でも、家族とのコミュニケーションは、刑事手続きと切り離せない重要な要素です。
仕事・学校・近所への影響を最小限にする視点
在宅事件の場合、逮捕・勾留がないため、日常生活を継続できているケースがほとんどです。しかし、捜査が進む中で、職場や学校、近隣の知人などに事件が知られるリスクはゼロではありません。
一般的に、在宅事件の段階で実名報道がされるケースは多くないと言われていますが、事件の内容や社会的関心の高さによっては報道対象となることもあり得ます。現在の状況で報道の可能性がどの程度あるかについては、弁護士に見通しを確認しておくことが大切です。
職場への影響を考えると、在宅捜査の段階で自ら職場に申告する必要は、基本的にはありません。ただし、有罪判決を受けた場合や、懲戒解雇の規定がある職種(公務員・教員・医療従事者・士業など)では、結果によって雇用に影響が及ぶことがあります。こうした職種にお勤めの方は、早めに弁護士に相談し、処分の見通しを踏まえた対応を検討することが重要です。
学校や近所については、噂が広まることへの不安を感じる方も多いですが、捜査の段階で周囲に知れ渡ることは、関係者が口外しない限り基本的には起こりにくいものです。余計な発言を慎み、SNSでの発信も控えることが、外部への情報漏れを防ぐ上で有効です。
家族の信頼回復と再発防止策を一体で考える
事件が解決に向かったとしても、ご家族との関係が以前と同じに戻るには時間がかかります。
特に配偶者にとって、盗撮や性的なトラブルは裏切りとして受け取られることが多く、事件後の関係修復は容易ではありません。
信頼を取り戻すためには、「事件を起こした事実と向き合い、再び同じことをしない」という具体的な行動を示し続けることが必要です。
口だけの謝罪では信頼は回復しません。専門家によるカウンセリングや依存傾向の評価を含む支援、再発防止のためのプログラムへの参加など、再発防止のための取り組みを実際に行うことが、家族への誠実さを示す上でも、また検察官や裁判所への心証においても重要な意味を持ちます。
すべての事案で専門治療が必要になるわけではありませんが、「自分はどの程度の支援が必要なのか」を専門家と一度確認してみることには、大きな意味があります。特に、盗撮など性的行動のコントロールに不安がある場合には、SOMEC(性的行動問題評価・治療に関する専門機関等)への受診も選択肢の一つとして検討すべきでしょう。刑事手続きと家族関係の修復、そしてSOMECなど専門機関での支援を切り離さず、一体のものとして捉えて取り組むことが、今後の生活を守るための現実的な道です。
盗撮の在宅捜査でお悩みの方は、お早めにご相談ください

在宅で捜査が進んでいる「今」は、不安な時期であると同時に、打てる手がもっとも多く残されている時期でもあります。正しい身の処し方、取り調べへの備え、被害者との示談、再発防止の取り組み——これらは、早く着手するほど効果を発揮します。
「まだ逮捕されていないから」と一人で抱え込まず、方針が定まらないうちにこそ、一度ご相談ください。
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あさかぜ法律事務所の刑事弁護の実績
当事務所では、盗撮・撮影罪をはじめとする性犯罪の在宅事件について、
被害者との示談交渉、再発防止に向けた環境調整、検察官への意見書提出など、
数多くの案件に対応し、不起訴・略式(罰金)といった解決を重ねてきました。
警察から呼び出しや連絡を受けた場合、ご自身で被害者に連絡を取る前に、
弁護士へのご相談を強くお勧めします。
よかれと思ったたった一度の接触が、証拠隠滅や脅迫と受け取られ、
かえって事態を悪化させてしまうことがあるからです。
「警察から連絡が来たが、これからどうなるのかわからない」——
そうした段階でも構いません。今のご状況をお聞かせください。
☎ 082-207-0720 受付時間 9:00〜21:00(土日祝もご予約受付)
【ご相談についてのご案内】
・刑事事件のご相談は有料です(30分 5,500円・消費税込み)。
・ご相談は事前予約制です。お電話のほか、LINE・メールでもご予約を承ります。
(刑事事件についてLINE・メールでの法律相談自体は行っておりません。ご予約のみの受付です)
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【執筆・監修】
弁護士法人あさかぜ法律事務所 代表弁護士 吉岡 誠
(山口県弁護士会所属)
相続・交通事故・刑事事件を中心に取り扱う。広島駅前事務所ほか山口・東京に拠点。
真っ暗な夜道を、長いあいだ孤独に耐えながらひた走り、 やがて広島・山口県内に入ると、さわやかな朝の風とともに疾走する—— 寝台特急「あさかぜ」号の力強い姿に、事務所の名を拝借しました。
明けない夜はない。その想いを皆さまと共有し、 フットワーク軽く、広範囲に活動してまいります。
最終更新:2026年6月
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